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風俗にまつわる有名人のコラムコーナー

kaku-butsuカクブツJAPAN〜俺にも言わせてくれ〜

kaku-butsuにゆかりのある人物が、週替わりで、時に熱く、時にクールに風俗に限らず世の中(ニュース、カルチャー、スポーツetc...)について、語り尽くすコラムコーナー

プチ鹿島

お笑い芸人
プチ鹿島

オフィス北野所属のお笑い芸人。時事、芸能などの事象を独自の見解で見立てる事から「時事芸人」「文系芸人」などと称される。マキタスポーツ、サンキュータツオらと共演のTBSラジオ「東京ポッド許可局」が大人気放送中。著書に「うそ社説」(ボイジャー)「思わず聞いてしまいました!!活字版」(スコラマガジン)など。

オヤジジャーナルの下世話な記事が一本につながる奇跡を味わえ。

2014/12/11(木)

お笑い芸人 プチ鹿島


私は常々オヤジジャーナル(オヤジが発信してオヤジが受信する新聞・週刊誌)の読み比べを推奨しています。

ひとつの記事だけではわからなかった下世話なことがオヤジジャーナルで連鎖することがあり、「ああ、この下世話のことを書いていたのか」と初めてわかることがあるのです。

今年のその最たる例が「阿部慎之助」の記事だった。「アベ」と言ったら安倍首相と連想しますが、下世話方面では阿部慎之助でした。こっちのアベもなかなかアツかったのです。

まず東スポでこんな記事が夏に出た。

・【野球選手恐喝でグラドル出身女優が逮捕か(東スポ 7月22日)】

内容が超下世話で刺激的。ちょっと引用します。

《なんと人気スポーツ選手を恐喝した疑いで、美人女優が逮捕秒読みという噂が芸能界に広がっている。その女優Xはまだ20代だが、芸歴は長い。グラビア中心の活動を経て、今は演技力を評価され実力派女優の道を進もうとしているところ。一方の恐喝された相手は、プロ野球界でも名の知れた人気選手Yだというから、事実なら衝撃だ。》

どうですか皆さん。なんだか穏やかじゃない。しかもどうやら誰もが知ってる男女らしい。ここではイニシャルだけで実名は書いてない。東スポがよくやる手です。匂わせるんです。

で、この東スポの記事から約1か月後の「アサヒ芸能」にこんな記事が出た。

・【巨人・阿部慎之助 大不振で囁かれる「Gカップグラドルとの不倫」後遺症】(8月21日)

注目は次の一文。

《7月に一部スポーツ紙でプロ野球選手とグラドル出身女優の不倫愛の顛末が報じられました。匿名で書かれていたので、阿部の話だとは限らないのですが、この報道になぜか阿部はビビり、過剰に反応していたんですよ。まさか、まだ続いていたのかと‥‥」(前出・球界関係者)》

上記の文で、1か月前に東スポが書いたイニシャル記事は、阿部慎之助と小泉麻耶のことだったのか・・ということがとわかる。

この2人はもともとは2012年8月に「週刊ポスト」に密会劇をスクープされた。あれから2年経った今、小泉麻耶の周辺に「恐喝」とか「逮捕秒読み」とか穏やかじゃないキーワードがちらついているのがザワザワするのです。そして「阿部はビビり、過剰に反応」という。

そして、10月末に今度は「週刊文春」がデカデカと報じるのです。

・【巨人・阿部慎之助を追い詰めたアイドル女優”盗撮美人局”の恐怖!(週刊文春WEB・10.28)】

記事のリードはこうです。

《4連敗のCSでも大不振だった巨人の4番・阿部慎之助(35)が、不倫交際を続けるアイドル女優の起こしたトラブルに巻き込まれ、精神的に野球に集中できる状態ではなかったことが、「週刊文春」の取材により明らかになった。不倫交際の相手は小泉麻耶(26)。》

1紙(誌)だけ読んでいたらよくわからなかった下世話記事が、複数の雑誌を読んでいたら次々につながりだしたのだ。

そして文春のスクープ、結論から言うとおったまげました。小泉麻耶という人物のスキャンダラスな身辺に。

「文春」は巨人がリーグ優勝を決めた9月26日と翌27日、横浜戦のため横浜市内のホテルに阿部が宿泊していたが、小泉も宿泊し密会していたと伝える。ここまでは通常の不倫報道だが(ヘンな言い方だが)、話がシビアになるのはここからだ。

今シーズンの阿部は不調だったが、それは体の故障だけでなく私生活でトラブルを抱えていたからだと文春は書く。小泉麻耶が大手芸能プロ幹部と警察沙汰になっていたと伝える。

《発端は昨年の冬。小泉にまつわる“黒すぎる噂”が芸能界で飛び交い、大手の芸能プロダクション幹部が震え上がる大騒動が持ち上がったのだ。有名女優や人気モデルを多数手がける大手芸能プロのA氏。肩で風を切る業界では有名人のA氏が、あろうことか所属タレントだった小泉と性行為に及んだビデオが存在する。にわかには信じがたい噂だったが、噂は現実味を帯びながら各方面に広がっていった。》

《A氏が、彼女との性行為の現場を“盗撮”され、その映像の存在をネタに脅されているという話でした。(テレビ局関係者)》

そしてA氏と関連事務所の幹部三名から浅草の飲食店に呼び出された際、A氏に同行した関係者が小泉の体に触れたことで小泉は激怒。昨年いっぱいで事務所を辞め、今年4月に神奈川県内の警察署に被害届を提出したという。現在の事務所に移籍し取り下げたというのだ。

芸能界を震撼させた“盗撮”騒動はうやむやのままに終わったというが、文春はその写真にたどり着いた、という内容だった。

記事では、阿部がとにかく悲惨だ。阿部は得体の知れない芸能界の闇に恐怖を覚えたと文春は書く。A氏と小泉の間で起きたトラブルが警察沙汰にまで発展したと聞かされたときは、「心臓がバクバクするほど恐ろしくなった」と周囲に話したという。その後、東京ドームに奇妙な会話が吹き込まれた音声テープが届いたこともあった。

それでも文春に優勝した夜の密会をスクープされたように、まだ関係は続いていたわけだ。しかし、今回の直撃取材を受けてからは、阿部は小泉の背景や危うさを知り、目が覚め周囲に「もう(不倫は)終わった」と話しているという。

もし来シーズンの阿部が再び野球に専念でき、今年の不調を脱したら間違いなく今回の文春に密会のスクープのおかげです。

というわけで今回は阿部慎之助をめぐるオヤジジャーナル読み比べをお届けしました。