SP企画

風俗にまつわる有名人のコラムコーナー

kaku-butsuカクブツJAPAN〜俺にも言わせてくれ〜

kaku-butsuにゆかりのある人物が、週替わりで、時に熱く、時にクールに風俗に限らず世の中(ニュース、カルチャー、スポーツetc...)について、語り尽くすコラムコーナー

第10回は、日刊kaku-butsuニュース編集長岩清水大河さんです。

日刊kaku-butsuニュース編集長
岩清水大河

風俗業界の活性化を目指し、日夜、良質な風俗ニュースの提供に励んでいる。童貞時代にAVで培ったモザイクの向こう側を見る能力により、モザイクに隠された新人風俗嬢の顔も、超能力捜査官・マクモニーグルもビックリの千里眼で見抜くことができる。
編集長として、その能力をニュースを選びに最大限活し、これからも風俗ユーザー様に正確でお得な情報をお届けする事を誓います。

日本のTPP参加と農業の大規模化&第6次産業化のウソ

2014/04/24(木)

日刊kaku-butsuニュース編集長 岩清水大河


皆さんは、日本のTPP参加をどのように見ているでしょうか?
こんにちは、「日刊kaku-butsuニュース」編集長の岩清水大河です。
密かにkaku-butsuの隠れた名物になっているリレーコラムですが、鎗ヶ崎一監督から3度目のバトンを受けましたので、今日は「日本のTPP参加と農業の大規模化&第6次産業化のウソ」というタイトルで、少し難しい経済の話を書いてみようと思います。

先日、日本のTPP参加が正式に決まり、ステークホルダー(利益を得る多国籍企業)とつながっている国会議員のオジサンたちが「開国だ!」と言いました。実はこのTPP、マスコミの皆さんの勉強不足により、農業の「聖域」ばかりが話題になっていますが、日本という国家単位で見ると「百害あって一利なし」という言葉がピッタリなほど、鬼のように大きなデメリットの割に、メリットが極めて小さく、長期的に見ると日本を滅ぼしかねない協定となっています。私は日本が本格的にヤバくなる前に、ハンガリーにでも移住しようと思っているので、冷静かつ客観的に見守っていますが、TPPは国家間の協定のように見えて、製薬会社などを中心とした多国籍企業(莫大な利益を誇るグローバル企業)が、いかに利益を上げるかという資本主義協定です。その証拠に、TPPは「秘密協議」が前提条件となっており、国会議員でさえ話し合いの中身を知ることはできませんが、世界的な大手企業は話し合いの中身を知ることができる仕組みになっています。なので、TPPの交渉の現場には企業が同席し、各々の外交官たちに指示を出しています。安倍首相が諸外国を訪問する際に、日立や東芝、IHIといった大手企業が同行するのと同じで、結局、やっていることは巨大な利権を握るためのビジネス的な出張に過ぎないわけです。そのため、日本がTPPに参加すると、あらゆる規制が緩和され、世界的にも優れていると言われる「国民皆保険制度」が崩壊したり、はたまた貧乏人には医療を受けられる資格がなくなったりするので、全体的には世界一と言われる平均寿命は短くなると考えられますが、そんな話をすると1冊の本が書けてしまうため、今回は「TPPに参加した場合の日本の農業」に絞って語りたいと思います。

そもそもTPPへの参加を検討する段階で、日本政府は「米や牛肉は“聖域”として守る」と言いました。つまり、米や牛肉の関税を撤廃しなければならないようならTPPには参加しないと国民に約束したのです。しかし、実質的にはアメリカと日本の二国間協定に限りなく近いTPPでは、アメリカの力が圧倒的に強く、この“聖域”を守ることはできません。というのも、既にアメリカと韓国ではTPPに似た協定を結んでおり、韓国もまた日本と同じように“聖域”を作ろうと試みましたが、この“聖域”は期間限定にされ、将来的には撤廃するという約束をすることになってしまいました。つまり、最初の数年間は“聖域”として認めるけれど、それ以降は関税を撤廃するという約束をしたのです。いずれ関税を撤廃してしまうのでは“聖域”とは呼べず、ただスタートの時期をズラしただけに過ぎません。長い目で見れば、守りたいと言っている日本の農業は、アメリカに脅かされてしまうというわけです。

こうなってくると、農家の皆さんは「話が違うじゃないか!」と言うに違いありません。この国のオジサンたちの言っていることとやっていることが違うというのは、今に始まったことではありませんが、あれだけ農家に大丈夫だと言っておいて、結果的に大丈夫じゃないというのは、日本の農家を滅ぼしかねません。そこで、最近は「日本の農家を第6次産業化すれば、アメリカに勝てる!」というキャンペーンを始めました。第1次産業や第2次産業という言葉が聞いたことがあるかもしれませんが、「第6次産業」という言葉は聞いたことがありません。もちろん、これは造語であり、本来はこんな言葉はありません。原発事故で放射能の雨が降って、実際に土から高濃度のセシウムが検出されても「風評被害」という言葉でごまかす手法と同じで、ちょっと難しめの言葉を使うことで、なんとなく大丈夫な気持ちにさせる作戦です。ちなみに、「第6次産業」というのは、農業や漁業などの第1次産業に、工業などの第2次産業、そして我々のようなサービス業のような第3次産業を合体させた「1+2+3=第6次産業」という発想の言葉です。それで言うなら、高橋がなりさんは、こんな言葉ができる前から「国立ファーム」という、農業と工業並みの流通網とエンターテイメントを組み合わせたものをやっているので、政治家のオッサンがドヤ顔で語る前から「第6次産業」をやっていた先駆者ということになりますが、具体的に言うと、政府の言う「第6次産業化」とは、農業を大規模化させ、工場のように大量生産し、観光農業としても機能させようというものです。しかし、これを実際にやるのは難しいと指摘している大学教授がいます。つまり、政府の空想で農家の人々を騙しているということです。なぜ、第6次産業化が難しいのでしょうか。それはそもそも「農業」というものが気候や疫病に左右されやすい不安定なものであるということにヒントがあります。

農業を大規模化するメリットは、トラクターなどの機材を効率的に使えることにあります。本来は「JA」がその役割を果たしているはずなのですが、昨今の「JA」は、いかに農家から収入をせしめて、自分たちの利益を得るかを考える、単なる利権集団になりかけているため、まったく強さを発揮することができていません。「農家のために」あるはずの「JA」が、いつしか「農家から搾取するために」あるものになっているからです。そして、JAに頼ることなく、すべてを自分たちでできる大規模農業を展開しようと思えば、利権オジサンたちに潰されるのがオチで、もし利権オジサンと戦って勝ったとしても、農業の大規模化は、あまりにリスクが高いのです。というのも、気候の変動が激しい日本の農業は「○月○日に必ず出荷する」という約束をすることができません。もし、この約束を守ろうとすると、味に妥協しなければならず、あと2~3日置くだけで甘さが増すのに、期限を守らなければならないばっかりに、ちょっと小さかったり、糖度が低かったりする、おいしくない野菜ができてしまうからです。また、疫病が流行してしまうと、大規模に展開している分、被害が大きくなってしまうため、大量の農薬を使うことになります。農薬には、さまざまな問題があり、「農林水産省や厚生労働省が認可しているから安全だ」とは言い切れません。何度も治験が繰り返され、お墨付きが出たはずの「人間に投薬するための薬」でも、発売されてから問題が発覚することがしばしばあるのに、TPP参加によってアメリカ基準になった農薬が、必ずしも安全とは限らない。むしろ心配。つまり、アメリカに対抗して作った日本産の野菜が、あまりおいしくない上に、日本人がこだわる「食の安全」さえも脅かされる事態になりかねないわけです。だから、日本の風土に合っていない農業の大規模化は、さらに日本の農業を衰弱させるのではないかという懸念があるのです。なので、TPPに参加するということは、どう頑張っても日本の農業に大打撃を与えることは確実で、けっしてプラスにならない上に、「第6次産業化」などという妄想は、ますます農業衰退に拍車をかけると考えられます。そう、こんなことを言っている政府の関係者は、どいつもこいつもバカだということです。では、どうすれば日本の農業を復活させることができるのか。そのカギは、「JAの利権構造の解体」にあると思います。が、こんな過激なことを書いていると、どんな嫌がらせを受けるかわからないので、とりあえず一言・・・。

「今のうちに、おいしい日本の野菜を食っておいた方がいいと思いますよ!」