SP企画

風俗にまつわる有名人のコラムコーナー

kaku-butsuカクブツJAPAN〜俺にも言わせてくれ〜

kaku-butsuにゆかりのある人物が、週替わりで、時に熱く、時にクールに風俗に限らず世の中(ニュース、カルチャー、スポーツetc...)について、語り尽くすコラムコーナー

第1回は、風俗系シリーズを多く手掛けているAV監督、鎗ヶ崎一さんです。

AV監督
鎗ヶ崎一

「超高級ソープ嬢」シリーズなどの主観映像による風俗物や、「SOD女子社員」シリーズなどのバラエティ物を得意とする。単体女優さんをキレイに撮る事にも定評がある。 業界一のサッカーフリークとして有名。

本田圭佑とテリー伊藤と高橋がなり、そしてビートたけし

2014/02/13(木)

AV監督 鎗ヶ崎一


お邪魔します。AV監督の鎗ヶ崎です。

この度は「超高級ソープ嬢」シリーズを30本以上撮らせていただいているという事で、この風俗サイトのコラムにお誘い頂いたと思うんですが、なんと、このコラム、風俗やSEXのネタは、どちらかと言うとNG。世の中の事をクールに語ってほしいという事で、かなり戸惑っています。ただ、次にこのコラム書かれる方のハードルを下げる事は出来るかなと思い、参加させていただきます。

「世の中の事を考える」確かに、そろそろ、そういった事も考えなくてはいけないのです。
なにしろ、私のこれまでの人生は、映画やROCKやサッカーやセックスにかまけていて、それどころでは無かったからです。ただ、これまでの人生で、幸運にも、様々な人達を見たり・聞いたり・会ったりしてきました。そんな様々な人達の行動や考え方、名言を私なりに紹介する事は出来るかなと思います。

さて本題です。サッカーバカの私にとって、年の始めに大事件が起きました。本田圭佑選手が、あのACミランに入っちゃったのです。しかも、ミランのエースナンバーである“10番”を背負うというのです。これは、私が言うまでもなく、凄い事なのです。これは大袈裟に野球で例えると、聞いた事もないイタリア人の野球選手が、読売巨人軍に入団。背番号3番を背負うような事なのです。

しかも本田は、10番が空いていたので、自分から着けさせて欲しいと言ったそうです。
ちなみに、一昨年マンチェスター・ユナイテッドに入団した香川真司選手は、ベッカムやクリスチアーノ・ロナウドが着けていたエースナンバーである7番を薦められた際、すぐに断り、「将来実力で着けられるように頑張ります」と26番を選びました。まぁこれが普通だと思います。

本田はインタビューで「よくプレッシャーのかかる10番を選びましたね」と聞かれ、こう答えています。
「(記者を見ながら)逆に聞きたい。
“10番”を着けるチャンスがあって、違う番号を選びますかって言う話ですよ。」

そして、私が注目したいのは次の言葉、
『チャンスが目の前にあったら、喜んで自分から要求します。選ぶ時にプレッシャーの事は何も考えなかったです。』

多分、本田は即答している。こんな大事な決断を即答している。
即答をするには、何かを決断する時に、自分の中に揺るぎない信念が無いと出来ない。
その信念が私に有るかって言う話だ。

私には、それが無い。即答です。

ただ、物事を決断する時に、私は3人の偉人の言葉を思い出す。今回はそれを紹介したい。


まずは、1人目のお言葉

私がTVをやっていた頃の師匠、というか人生の師匠、テリー伊藤さん。
(そう思われている人がたくさんいすぎて、私ごときが恐縮ですが)

その昔、バブルの頃、ADの私でも車が買えた時代があった。
伊藤さんにどんな車が良いか相談した時のお言葉、

『あのさぁ、高い買い物する時、人間って慎重になるだろう。ダメなんだよ。慎重になっちゃ。普通になっちゃうから。南の島の楽園に住んでると思って選ぶんだよ。南の島で家買ったら、壁の色、黒とかグレーにしないだろ。車も一緒だよ。南の島なんだから、黒とか白とかにすんなよ。』

後から考えると、物凄い深いお言葉だった。とにかく、普通な事を否定しろと。
若かった私は、結局、シルバーと云う中途半端な色の車を買った。
あの時、黄色やオレンジの車に乗っていたら、人生確実に変わっていた。
だから、私は普通な人生しか送れていない。


そして、2人目のお言葉

私が、今この業界で食べていけるようにしてくださった命の恩人、高橋がなりさん。

がなりさんは、実は一緒にいると5分に1言。いや、3分に1言、名言をおっしゃる名言製造機。まさに、名言界のイチローなので、決断の時の名言も数多くあります。(その名言の数々は、また回をあらためて紹介します。)

今回はその中でも、最もストレートなものを。ソフト・オン・デマンド社屋に貼ってある、社訓「負け犬からの脱却十ヶ条」の中の一つを_
『行動に迷ったときは、自分にとって苦しいと予測するほうを選択しろ。』

もう気持ちいいくらい言い切って貰えているのである。この一言があれば、他は要らない。
あれこれ考えなくていいのである。代表のがなりさんが言ってるのだから、そうすればいいのだ。もし失敗したら、がなりさんが悪いのだ。
ここまでリスクを背負い込んだ社訓が貼ってある会社は、やっぱり強いと思う。
(実はこの言葉の前後があって、これがまた名言だらけなのだが、それもまた後日に。)


3人目のお言葉

この人に会いたくて、札幌から出て来たんです。私は。
まさに、私の生涯のマエストロ、ビートたけしさん。

たけしさんが1983年に「戦場のメリークリスマス」の出演交渉を受けた時のお言葉。
『大島渚ってアレだろ。もう訳わからない映画ばっかり撮ってる人だろ。坂本龍一って誰だよ、インチキ前衛音楽家か。デビット・ボウイってヨーロッパで一番有名なホモらしいじゃん。もう、訳わからないないし、嫌だって言ったんだよ。テレビ、いっぱいやってるの休まなくちゃいけないし。「たけし、文化人気取り」なんて言われそうだし… でもさ、なんで決めたかって言うと、なにしろコレ(ギャラ)がすごくてさぁ』

もちろん、たけしさん的照れ隠しの答えなのだが、本質だと思う。高いギャラを貰ったら、やっぱりそれなりの仕事をしなくてはいけないのだ。プレッシャーを背負うという事なのだ。
私も仕事が2つ来たら、迷わずギャラが高い方を取る様にしたい。その前に、そんなオファーが来る様な仕事の出来る人間にならなくては、いけないのだが。


この3人の偉人の言葉を踏まえ、
「南の島に住んでる気持ちで、苦しい道を進み、高いギャラを取る」
これが、私の重大な決断をする時の信念になればいいのだが__

最後に、本田圭佑に話しを戻す。そのセンスがすこぶる、評判の悪い私服について聞かれた、本田の答え、
『オレは洋服屋に行くと、とりあえずその店で一番派手で、一番高い服を買う。なぜなら、その服が、その店で一番着こなすのが難しいはずだから。』

やっぱり、本田。言ってる事はスゲェー。
しかも、「派手な色の服を選び、
     高い服を買えるようなギャラを貰い、
     着こなすのが難しいという苦しい道を選ぶ」

なんと、3人の偉人の教えが全部入っている。
ソチオリンピックで外人の勝負強さに参った皆さん、ワールドカップには本田がいます。
とりあえずメンタルとインタビューだけは、外人に負けないと思う。