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風俗にまつわる有名人のコラムコーナー

kaku-butsuカクブツJAPAN〜俺にも言わせてくれ〜

kaku-butsuにゆかりのある人物が、週替わりで、時に熱く、時にクールに風俗に限らず世の中(ニュース、カルチャー、スポーツetc...)について、語り尽くすコラムコーナー

放送作家・劇団「あんかけフラミンゴ」主宰 島田真吾

放送作家・劇団「あんかけフラミンゴ」主宰
島田真吾

脚本家・演出家・放送作家。よしもと所属。慶應義塾大学を中退し、お笑いと演劇の道を選ぶ。エロすぎ・派手すぎな公演を何度も重ねる小劇場若手演出家として注目を浴びる。ローション階段などのパフォーマンスを聞いた蜷川幸雄が「あんかけフラミンゴ(笑)」と言ったとか言わないとか。平成生まれ。

「モテたいから演劇をやってるワケですが!!〜小劇場というサブカルチャーの実態〜②」

2014/07/17(木)

放送作家・劇団「あんかけフラミンゴ」主宰 島田真吾


売れない劇団の脚本・演出をしております、島田真吾と申します!
前回の記事に引き続き、このような場で書かせていただくこと、本当に嬉しいです。
僭越ながら今回もよろしくおねがいします!

大物監督達が書かれているこのリレーコラムで、僕みたいな若輩者が僭越ながら「小劇場における演出」というものを生意気にもご紹介させていただきます。モテたい、人気者になりたいという邪心からはじめた演出ですが、どっぷりハマってしまいました……。

「演出」とは、キムタクをより良いキムタクにする仕事!!

お芝居でも映画でもコントでもドラマでも、「脚本」があります。
その「脚本」を、一つの作品として表現することが演出の仕事です。 

役者がいます、大道具があります、照明をつけます、音を流します、
これらは作品において、一要素にすぎません。
それらを総合して一つの表現をつくります。

例えばキムタクが泣いているシーンを表現したいと思った時演出家はこういうことを考えます。

①キムタクはどこで泣いているか
 → 場所によって様々なシチュエーションを表現できます。例えば公園、牢屋、ベッドの上……

②どういう風に光を当てるか
 → 朝なのか夜なのかを表現できるだけでなく、影を作ることで暗いイメージを作ることもできます。

③どういう音(BGM)を流すのか
 → クラッシックを流すと悲劇的な重みをもったシーンになりますし、悲しいシーンでGREENとかを流すとギャグになります。

④どういう風に泣いているのか
 → 叫んでいるのか、シクシクと泣いているのか。

⑤どういう向きで泣いているのか
 → 正面で泣いているのか、それとも後ろを向いて泣いているのか。

「キムタクが泣いている」というだけで、これだけの選択肢があるわけです。
様々な組み合わせの中、最良の一手を選びます。イメージします。
イメージできたらそれをどう表現するか。一人ではできません。役者もいますし、技術スタッフもいます。その一人一人とでっかい「キムタク泣いているイメージ」を共有し、みんなで創ります。そして指示を出し、調整します。

イメージを考え、伝え、共に創る。これが演出の仕事です。
え?キムタクなら何やったって大丈夫だろうって?
そりゃそうでしょう!!キムタクでてくれねーかな!!!

ぼくが考えたイメージを仲間と作る喜び。
それをお客さんが感動してくれた時の喜び。
それを一番感じられるのは演出です。役者の演技に音や光が入って一つの作品になった時、正直鳥肌もんです。やめられません。

まあやめられないからこんなに貧乏なんですけれども!!!
キムタクが出演してくれる演劇をやったら、モテるんだろうな……

慶應大学出身の演劇関係者はこんな人が……!

学生時代、鬼のように猛勉強し念願の慶應義塾大学に入学しました。憧れの慶應ボーイ、合コンとかでもモテることで有名なあの慶應。将来の夢は国際弁護士か国家公務員!と高らかに謳っていたのですが、気がついたら演劇漬けの毎日で、5年間在籍して残念ながら中退。その後アルバイトして月給6万の極貧生活の中、劇団を続けてきました。高橋がなりさんに「お前のような確約されたエリート街道を投げ売った奴らが演劇には沢山いるんだろうな」とおっしゃっていただいたのですが、まさにその通り。中には表現の道で大成功された諸先輩方も数多くいらっしゃるので、そのうち超大御所二人と今乗りに乗っている一人を、最後にご紹介させてください。

浅利慶太(演出家)
劇団四季の創設者・演出家。この方も大学中退し、表現の道を選んだということだけに関しては自分と一緒です。こんなこと言うのもおこがましい!誰もが知っている劇団四季というブランドを作り、今でも日本の演劇界のトップを突っぱしってらっしゃる大先輩の浅利慶太さん。数々の業績から、中退しながらも今では大学の評議員もされています。劇団四季に入団する為に厳しい選考があるのですが、見事合格すると手取りで20万弱の給料が支給されるとのことで今でも若き俳優は劇団四季を目指しているケースが多いです。

つかこうへい
慶應大学なんかくだらねえと中退し、ライバルである早稲田演劇で名を馳せた偉大な演劇の巨匠で、「日本の演劇の歴史は『つか以前』・『つか以降』に別れる」とまで言われる大演出家。「演出家と言えば灰皿を女優に投げつける」というイメージは彼が作ったと言われるほど怖い存在だったそうです。人の罵倒の仕方がとにかく天才的で、どんなドMな俳優でもトラウマになるほど。最終的に彼の演出を受けた人は前向きなマゾヒストとなることで有名です。斬新な作品が多く、「凡庸なものを全て否定する」スピリッツを、今でも多くの演劇人が継承しています。僕が最も尊敬する演出家です。

松居大悟(演出家・映画監督)
劇団「ゴジゲン」の主宰で、NHK連続ドラマの脚本家では最年少記録としてドラマデビュー。2012年に『アフロ田中』で監督デビュー。その他に若者に大人気の「クリープハイプ のビデオクリップを手がけています。直属の先輩で、色々お話を聞く機会も多いのですが、29才、未だ童貞。「おれは作品の為なら一生童貞でも良いんだよ」とおっしゃっていたのがまぶしすぎたのを今でも覚えています。好きなAVシリーズは『彼氏のチ○ポはど〜れだ!?』。

いつか諸先輩方のように成功できる様、kaku-butsuで培ったエロエロパワーを下に今後も創作活動に精を入れようと思います。まあぶっちゃけ、モテたいんですけど!!モテたい!!