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風俗にまつわる有名人のコラムコーナー

kaku-butsuカクブツJAPAN〜俺にも言わせてくれ〜

kaku-butsuにゆかりのある人物が、週替わりで、時に熱く、時にクールに風俗に限らず世の中(ニュース、カルチャー、スポーツetc...)について、語り尽くすコラムコーナー

堺コテツ

kaku-butsu SOD風俗調査団員
堺コテツ

テレビ番組、博覧会の映像、イベント映像、音楽のプロモーションビデオ、コマーシャルフィルム、AV、そして映画などを本職にしているクリエティブな団員さん。クリエティブに捧げる並々ならぬ情熱と団員いち映画好きのコラムを是非、一読ください。

私がやっている映画のお仕事について

2014/11/27(木)

堺コテツ


カクブツの調査員をやらせていただき1年が経った、堺コテツです。 普段、私は、ありとあらゆる映像制作のお仕事をやらせていただいております。 テレビ番組、博覧会の映像、イベント映像、音楽のプロモーションビデオ、 コマーシャルフィルム、AV、そして映画です。

今回はリレーコラムのバトンをいただき、恐縮ですが、私が携わっている映画のお仕事について話そうと思います。

私は、6年前からある国際映画祭の事務局の仕事をしています。世界中から送られてくる200本もの映画を3か月で見まくって、10本程度にセレクションします。 その中からグランプリを選ぶんです。映画とは時代の鏡的な所があります。その国、その時代の問題点を題材にした映画が多いです。問題意識の固まりが映画となって結実し、世界中を駆け巡るんですねえ。問題意識がない映画は、まずないです。どんなにくだらないアメリカのD級映画でも彼らなりの問題意識、時代感覚が詰まりまくってるんですねえ。

長い時間とお金をかけて、最後までテーマを貫き、仕上げ、公開まで持っていくエネルギーは、並大抵ではありません。脆弱な精神では途中で挫折してしまいます。

例えば、中東の映画なら、戦争、宗教のお話が多く、中国なら、都市と田舎の格差を題材にしたものが多いです。 「上海のIT企業で競争に負けた若者が、故郷に帰って、何が本当の幸せか気づく、、

なんて話の中国映画を何本も見ました。

でもどんなに難しい題材を扱っていても、映画って面白いかつまらないかだけなんですよねえ。たかが映画なんですが、90分以上観客を飽きさせないって難しいです。100億円かけたアメリカ映画の大作より、10万円で作ったフィリピンの映画の方が遥かに面白いという事はよくあります。

映画から学ぶ事はホント多くて、私の全知識の7割は映画で培ったものでございます。 だって映画には、世界のすべてが詰まっておりますからね。私の話す事は殆ど何かしら 映画からのパクリです。はい。

ホント、世界には、こんなにたくさんの人々が人生をかけて映画を作っているんだ、と思うと、ウッカリした審査はできません。1週間の映画祭期間中、世界中から選ばれた10人の映画監督に来てもらうのですが、最終日のパーティの日には、「日本は素晴らしい、自分の国に帰りたくない という監督に何人も会いました。(結構マジで) 

どの国でも映画監督なんて人種はアウトローで、普通の感覚ではなかなか映画なんて出来ません。2次会、3次会ではハチャメチャになる事が多いです。そんな人でも日本のようにまず平和に生きていく事を基本に考えるんですね。当然ですが。

さてこの映画祭で賞を受賞した日本の若い監督たちには、映画祭事務局でお金を出して新作を撮ってもらっています。もちろん普通の劇場で公開いたしております。 去年、その映画の中からついにベルリン映画祭への出品にまでこぎつけたものもありました。残念ながら賞はいただけなかったですが。

さて、日本の若い映画監督達もどうやって食べているのか、ナゾな人達が多いです。 ヒモだったり、コンビニ店員だったり、ギャンブラーだったり、風俗系の運転手もいました。映画に憑りつかれてしまった人々なのですね。

私のやっている小さな会社でも、こういう輩を雇ってたりもするんですが、なかなかお金になる仕事はやってくれません。こういう人々を少しでも世に出すお手伝いが出来れば、と思っております。

「人生を深く良くするには、厳しい所にいるより、暖かい所にいる方がよい。」 by 高倉 健(合掌)

うちの会社もギリギリですが、なんとか若き監督たちに、映画の道を諦めずに頑張って欲しいもので、僭越ながら少しでも健さん言うところの「暖かい所」になろうと頑張ろうと思っております。

(ちなみに私、20年以上も前に高倉健さんとお仕事させていただいたことがあり、 3時になると、まったく、下っ端の私を含めてスタッフ全員に、ドリップしたコーヒー が届くんです。テレビで喧伝されている通りの物凄い気遣いをする、 恐ろしいオーラのお方でございました。)

実は今回、私なりに日本映画の問題点とか書こうと思ったのですが、ツラツラ書くうちに字数が一杯になってしまいましたので、今、新しくやろうとしている事をひとつ、、

映画の紹介、評論サイトを作ろうと思っております。 しかもカクブツに倣ってです。

日本映画は、どこかのマスコミと必ず経済的深い繋がりの下で作られております。ゆえに 出来上がった作品が本当に面白いのかどうかを、キチンと色メガネなしで評価してくれるサイトがなかなかありません。

日本で一番大きな映画情報サイトはヤフー映画ですが、ここも明らかにサクラと思われる人が多く投稿してきます。もっと中立的な立場での紹介、評論サイトを何とかつくりたいんですねえ。このへんの問題点は結構カクブツと似ているので勉強させていただいております。サイトが出来たらまたお知らせいたしますので、よろしくお願いいたします。